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漫画「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」

わたモテ

漫画:私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!
作者:谷川ニコ


タイトルが印象的なこの作品、つい最近アニメ化もされたので耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

印象的とはいっても、このような文章風の長ったらしいタイトルは近年よく散見されるものですね。特にラノベ(ライトノベル)作品に多く見受けられる印象です。
このようなタイトルは一目で作品の内容がわかるという大きな利点がありつつも、安っぽくなってしまうため自ら作品としての質を落としてしまうもろはの刃です。

かくいう私もこのようなタイトルセンスはあまり好きではありません。
だから本来なら「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(以下「わたモテ」)も手に取ることはなかったはずなのですが、なんとこの作品は無料で読むことができるのです。


連載雑誌はガンガンオンライン。
その名の通り、ウェブでオンラインに連載している作品なのです。
だからこそ気軽に読むことができますし、私も失礼ながら暇つぶしとして「わたモテ」を読んでみたのです。


この物語、前述の通りタイトルに内容がすべて詰め込まれています(笑)

モテない女子高生による、モテたいがために奮闘する、日常系学園コメディーです。


「けいおん!」や「らきすた」のような日常系アニメ作品が流行りだしてしばらく経つ昨今ですが、わたモテがそれらとは一味違う魅力を放って私の心になんともいえないモヤモヤを残したのには大きな理由があります。


それは、娯楽として許される限界ギリギリのボッチ女子高生をリアルに脚色して描いているからであります。


少しひねくれた言い方をしてしまいますと。
不幸な主人公として描かれる女の子って、不幸とか言いながらなんだかんだ容姿に恵まれてたり性格が素直だったりするものです。
イジメモノとかでもそう。顔がすべてではないですが、イジメられている子が可愛く描かれていると途端に嘘くささに満ちてしまうものです。


ですが、わたモテの主人公「黒木智子」は本当にかわいくない。(笑)

作者もあとがきで語っています、本当にデザインには苦労したと。
黒木智子のデザインがまた絶妙なんですよね。決して可愛くはないんですが、かといって憎たらしく醜悪に描いているわけではないですし、デフォルメや角度・髪型によってはやや可愛く見えるコマもありますし、かと思えば悪態をついている場面は本物のブサイクだしで(笑)


内容が非常に現代的なのも好印象ですね。
賛否両論あるところですが、時事ネタやパロディ・ネットネタなどをふんだんに取り込んでいて、だからこそ智子の女子高生ライフが可哀想なくらいリアルです。

そう、これ、ひたすら主人公が惨めなんですね(笑)
タイトルどおりモテない原因を自分以外の周囲に押し付けるわがままで傲慢な性格ですから、待っているオチは惨めなものが多いです。
その惨めさももはや娯楽としてギリギリ。私も「こういうことよくあるよなあ……」と胸を痛めつつもその可笑しさに笑ってしまいますが、中には娯楽として受け入れることができず「辛すぎて読めない」といった感想もよく見ます(笑)

傲慢で自分勝手な智子ですが、しかしその性格の一部は誰もが学生時代持っていたはずの闇の部分です。
クラスで友達がいないことへの恐怖、周囲から「ボッチ」であると認識される恐怖、班行動の恐怖、席替え、二人組……誰もが心の中で様々な悪態をついてきたはずでしょう。
それを面白おかしく、そして赤裸々にぶちまけていくのが黒木智子、「わたモテ」という漫画なのです。


この作者の着眼点は見事なもので、ボッチを描くのが巧すぎです。経験していないとこれは描けないでしょう(笑)

様々な秀逸な表現がありますが、一つだけ、私のお気に入りのシーンを紹介しましょう。



高校に入ったのに友達もできず一人で家で過ごしていた智子。
突然、久しぶりにケータイが鳴る。


智子「何!? なんで電話が独りでに!? あっ 電話がかかってきたのか!?」



……ケータイ電話の電話としての本来の役割を忘れ、智子にとっては動画やネットばかり閲覧するツールと化していたことを一言で表す、秀逸ながら涙を禁じ得ないシーンですね(笑)


悲しくも可笑しい、そしてリアルな心の叫びがこだます学園コメディー「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」
ぜひ、ガンガンオンラインで試し読みしてみてください。



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